十代からの活躍も多い早熟のフラメンコ・スターのキャリアは長く、その作品は一人のアーティストに限っても、ときに相当な数に昇る。ライヴを見て気に入り、アルバムを買ったものの、今と芸風が違ってアテが外れた、という経験はないだろうか。そんな時に役立てる、アーティスト別「名盤カタログ」のような形を、1983年創業のアクースティカが長年蓄積した豊富な資料を基に目指そう、というのが本コーナーの遠大なる野望である。全国津々浦々のアフィシオナードの皆様、求むご意見、叱咤激励!
アルバム発売記念ライブ第2弾開催!鈴木尚の「レポサンド」が熱い!
鈴木尚 新作CD「レボサンド」リリースライブ第2弾! フラメンコギターのソロ、デュオ、トリオを堪能する一夜
リリース記念ライブ第1弾として、2月に行われたギャラリー幽玄でのライブに続き、第2弾のライブが開催されます! 演奏楽器は、フラメンコギターのみ、PAなしの生音での演奏です。 100%純粋ギターライブで、鈴木尚の世界を、その確かな腕を、フラメンコギターを堪能してください!
日時 2014年5月31日(土)20時開演(19時開場) 場所 高円寺/カサ・デ・エスぺランサ(JR高円寺駅下車 南へ徒歩10分)
出演 鈴木 尚 ゲストギタリスト 金田 豊、 小原 正裕
料金 4000円 1ドリンク、タパス付き(割引券有3500円)
ご予約・お問い合わせ:
カサ・デ・エスぺランサ 03−3316−9493(19:30〜24:00 ※月・火曜) http://tablaoesperanza.com/
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プロ活動30年、常に第一線で日本のフラメンコギターを牽引してきた鈴木尚。 第2作
「船着き場」から9年、 円熟の境地から放たれた豊かなる一枚。 確かなテクニックに裏打ちされた、熱きアルマの音世界。 鈴木尚3枚目のアルバム「レボサンド」発売中!
鈴木尚3rdアルバム「レボサンド」 販売価格 2,500円(税込) ゲスト・アーティスト 小原正裕 金田豊 橋本容昌 稲田進
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CD「レボサンド」に寄せて鈴木尚の姿が見えて来る! 高橋英子(フラメンコ舞踊家) 新作「REBOSANDO」
鈴木さんは踊り伴奏の名手だと思います。踊り手が踊りやすいように、 心地よい音色と確実なコンパス感で引っ張って行き、出過ぎないトーケで踊りを盛り上げてくれます。
私もよく伴奏していただきましたが、「頼れる」ギタリストなのです。 「出過ぎないトーケ」というのは、自分を出す前に、踊り手を出すということです。
日本には踊り伴奏がうまいギタリストが多いですが、それ以外に自分のギターの世界を追及していて、
CDを出しているアーティストは意外と少ないように思います。鈴木さんは以前に2つのCDを
発表していますが、2作目の「船着場」では、ブレリアばかりの頼もしいギターをご披露しています。
鈴木さんはとても創作意欲があるのですね。フラメンコをやっていると、自分の世界を追求しながら、自分の音楽をもっと発展させていきたくなるのは自然の成り行きだと思います。でも、そこにはあらゆる困難が待ち受けているもので、なかなかスムーズには行かないものだと思います。作って行く中で悩み、考え込んでしまうこともあるでしょう。何回も練り直して一つの音楽ができていくのだと思います。彼が都会から離れ住み、自らの創作活動に夢と希望を持ち続け、努力を重ねてきた結果がここに表れたのだと思います。
この新しいCDを聴いていると、彼の姿が見えてきます。彼の嗜好と音楽性が伝わってきます。
ニーニョ・リカルドや、ラファエル・リケーニ、ニーニョ・ミゲルなどは私も個人的に大好きですが、
過去のアーティスト、先駆者たちの素晴らしい音楽を賞賛し、彼らの美味しい鍋をたんまりご馳走になり、
最後の汁まですすり上げ、しっかり味わい、肥やしとしている。そして、消化したものを
自分の創作に活かして、思いっきりキャンバスに、ぶっとい筆でしっかり描いているようです。
彼の音楽は何かレトロな雰囲気が漂っていて、彼らしい温厚なメロディに心が和んできます。
2人のギタリスト、金田豊、小原正裕が傍らで、そんな彼の輝きを何倍にも膨らませていて、
醍醐味ある仕上がりになっていると思います。それって感じるものですよね。聴いてみないと!
最後のビダリータ、いいですよ〜。なんだか静々踊りたくなってしまうかもしれませんね。
〜鈴木尚のブログより抜粋〜
物が見えない音の世界は、音そのものをよく聞く姿勢が重要だ。
音を聞いてその声に思いを巡らし、自身が出した音と自分が対話する。 音の具合を見
る。 すると一つの音だけではない、いろんな音が聞こえてくる。
音が産まれる瞬間の微かなかすれ声や、空気と混じって震える声。 歓びを表しているかの如くは ね上がる声。
や がてそれが次第に消え失せてゆく声が、聞こえてくる。
和音のように複数音なら、その交わり具合を聞く。 するとまるでギターが何かを主張して いるように感じる時もある。
「もう少し私の方を向いて!」と怒られるようにも 「今の音の具合はとっても良い感じ!」と満足感を漂わすようにも感じる。 そし
てその声に応えてギターのタッチや強弱を変え、調弦を繰り返し 、
ベストな音を引き出してあげる。
そうやって納得するまでギターの音と会話してから、はじめ て曲を弾く。
試行錯誤を繰り返し、 ギタリストはそのギターにとっての最良の音を、声を、引き出した時、 信頼できる仲間を得たような格別な思いに 浸れるのだ。
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