カマロン/CD・DVDリスト

アーティスト解説〜カマロン〜

パコ・デ・ルシアのフラメンコの変革に無くてはならない盟友がいた。それが、「カンテ(フラメンコの歌)の革命児」カマロン・デ・ラ・イスラである。60年代後半から90年代初頭まで20数年、二人は折に触れてコンビを組み、新しいフラメンコを生み出し続けた。
カマロンは1950年アンダルシアはカディスのサン・フェルナンドで生まれた。8歳の頃から人前で歌い始め、その後マドリードに進出し、68年タブラオ「トーレス・ベルメハス」で歌い始める。そこでパコ・デ・ルシアと運命的な出会いをする。69年、19歳で最初のアルバム「カマロンとパコ・デ・ルシア第1集」をリリース。新しいフラメンコの幕開けを告げた。それ以後、パコとのコンビで77年の「カスティージョ・デ・アレーナ」まで毎年のようにアルバムを発表、スターの地位を確立した。
 79年コンビをトマティートに変え、ロックの要素を取り入れた「ラ・レジェンダ・デル・ティエンポ」を発表、大ヒットする。以後再度パコ・デ・ルシアを加え、トマティートも参加のもと、「コモ・エル・アグア」「カジェ・レアル」「ビビレ」ほかの創作カンテ・フラメンコを発表し続けた。
 92年のバルセロナ・オリンピックの年、カマロンは肺がんのため42歳の若さで世を去った。天才の短い生涯だった。カマロンの歌には抜群の歌唱力、センスと同時に、絹糸のような繊細さがあった。ライブでは多くの聴衆が熱狂した。現代のほとんどのカンタオール(フラメンコの歌手)がカマロンの影響を受けている。