テナサス・デ・モロンなど、その輝けるカンテの歴史をほぼ年代順に編集したのが本作!
コルドバ県山中の町プエンテ・ヘニルといえば、ファンダンゴ系のサンガノ、そして'60〜'80年代のスター歌手、御大フォスフォリート(1932〜)の生地。その輝けるカンテの歴史をほぼ年代順の2枚組に編集したのが本作。伝説のテナサス・デ・モロン(1850年モロン〜1933年プエンテ・ヘニル)の1923年発売のオデオンSP盤シギリージャから、2016年初録音の20代、アルバロ・マルティンのブレリアまで、約一世紀に亘る人物名鑑だ。ガロティンの創造者の一人とされる、フォスフォリートの兄ニーニョ・デ・ヘニル、フアン・イエロ、エル・セコ、ペドロ・ラバドら同地を代表する歌手が勢ぞろい。40歳で夭逝直前のヒメネス・レハーノのティエントや、エル・コルテサスのヒターノ味溢れるブレリア、アントニオ・ランチェルのアレグリアス・デ・コルドバ、全盛期のフォスフォリートのトナー(於マイレーナ・デ・アルコール)など、ライヴが20曲近く含まれる点も魅力。農作業や牧畜が多い山村地帯特有の、質実剛健を好む雰囲気がよく伝わるアルバム。20代前半のパコ・デ・ルシアも伴奏に2曲登場、さすがの実力だ。全38曲、2枚組(CD1約76分/CD2約78分)。<中谷伸一(「PURO DRUNKER」執筆者)>
He andaito la Francia (Seguiriyas)/Cuando vas a mi cortijo (Garrotín)/Eres una mujer hermosa (Malagueñas)/Cuando yo empecé a quererte (Taranta)/l En el patio de Caifás (Cuartelera)/Como el correo de Vélez (Soleares)/A clavo y canela (Seguiriyas)/De quién son esos machos (Serrana)/……………..