「絶壁の上を歩く」ようなカンテと評者!イスラエルとディエゴのモダンなのにシンプルなフラメンコ。
92年トレド生まれのヒターノ歌手、イスラエル・フェルナンデスは28歳。アンダルシア出身のアフィシオンに溢れたヒターノ一家に育ち、小さい頃より歌い始めた。11歳でテレビのコンテストで優勝する。カマロン、カラコール、マイレーナ、ペイネスらの影響を受け、多くのアーティストとの交流を通じて成長していった。巨匠カルロス・サウラ監督に「新しい時代を担うカンタオール」と評され、アルバムは第2作より大手ユニバーサルからのリリースとなり、その地位を確立した。15年からはサラ・バラスの舞踊団に参加している。本作は第4作目になるが、現在カンテ伴奏では独壇場のヘレスのディエゴ・デル・モラオに伴奏とプロデュースを任せ、現代カンテをシンボリックに表現している。特にティエントスやシギリージャではリズムのトリックで、従来のリズムの輪郭を感じさせない中に、見事な新しさを表現している。そしてそこにカンテとギターがシンプルに存在している。一方イスラエルのカンテは、「絶壁の上を歩く」ようなカンテと評され、その絶妙さが評判を呼んでいる。パルマにフアン・グランデ、ルイス・デ・ペリキン、パーカッションにピラーニャ、チャボリ。全11曲。
Alegrías de Santa Ana/La casa pequeña(malaguena)/Soleá del cariño/La amada(tientos)/Bulería del reproche/La bella murciana/Querencia(tangos)/El mandamiento(granaina)/Seguiriya del desvelo/El anhelo(bulerias)/Como yo te quiero(fandangos)