本格派カンタオーラ魅惑のポップス!インディア・マルティネス風色気と歌の上手さを持った逸材。
デビュー作「デハメ・ソニャール」('15)に続く、7年ぶりのセカンド「ソロ・トゥ」('21)を発表のサライマは、1991年アルヘシーラス生まれの人気ポップス歌手。7歳からペーニャで歌い始め、12歳から地元のフラメンコ学者アントニオ・ルビオ・ディアスに師事。カディス一円のペーニャのコンクール賞を多数獲得した、本格派のカンタオーラでもある。本作はレゲトンやラップ系のプロデュースに精通した、作曲家でギタリストのチュス・サンタナのミキシング・編曲が最大の勝因。ルンバ、サルサ、ロック、ラップ、トラップ、バチャータ、レゲトンなど、21世紀の音楽シーンのエッセンスを抽出し、絶妙な配合でブレンドしたバランス感覚が驚異的。芯となるサライマは、ハードなボス・ラスガーダ(ひび割れ声)とキャラメルヴォイスを自在に使い分け、ラップのスピーディな滑舌まで何もかもが上手い。カンテ作法を下地に、テーマが日常的なオリジナル詞もハマっている。フラメンコギターは達人ルイス・デ・ペリキン。フラメンコ・フュージョンの現代最新モデルを示す傑作。全9曲、歌詞付き。(中谷伸一)
Tengo Un Motivo/Un Lugar Escondido/Que Pena/Lo Prometido/Pa Ti No Estoy Soltera/Solo Tu/Pa Que Me Veas/Tic Tac/Mi Momento