パコ・デ・ルシア亡きあと、フラメンコ音楽をリードして来たドランテス初の本格ソロライブ!
フラメンコピアノと言えば、古くはホセ・ロメロやアルトゥーロ・パボンがおり、そして現代の双璧と言えば、このドランテスとディエゴ・アマドールである。古来、「あのピアノのような表現力で・・・」という言い回しがあるが、フラメンコに於いては、「あのギターのように」ピアノを弾かなければならない。逆である。これを徹底して行なったのがディエゴ・アマドールだ。この現代の双璧は実に対照的で、ディエゴ・アマドールがあくまでもフラメンコのコアに向かって突き進んで行くのに対して、ドランテスは逆に外に向かって壁を壊して新たな地平を創ろうする。しかしそこには常にフラメンコがある。ドランテスはすでに輝かしいアルバムを数多く生み出してきたが、本作は22年10月セビージャのカハソル劇場で行われた本格的なソロライブである。
「文化は人間の人生に意味を与えるものです。多様性と統一性、普遍性の中の特殊性を組み合わせることが、私たちを自由にし、平等にするのです。」・・・から始まるメッセージは高い思想性を持って彼がフラメンコに向き合っていることが分かる。各曲種はクレジットされているが、全く新しい音世界に我々を誘っている。「オレ!」の声がかかる。全7曲。
La Hazaña (Rondeña)/ Corredera (Soleá por Bulerías)/ Arriba En El Monte (Granaína)/ La Puerta (Alegrías)/ El Paso (Seguiriya)/ La Ciudad (Tangos)/ Orobroy A Solas