必ず曲ごとに最初のキー(al 2 por medioなど)を示し、時には後のコード展開まで記載する徹底ぶり!CDはSP盤中心に21曲+巻末の名言が収録。
自身もギターを弾く第一線の研究家、ホセ・マヌエル・ガンボア氏入魂のサビーカス伝記&ディスコグラフィー。スペイン北部のパンプローナ出身、米マンハッタンで30年以上暮らし、伝説のカルメン・アマジャとも共演した20世紀の巨匠の足跡を、現役時代からの43作品の解説で追う構成。各アルバム解説のミニコラム「TOQUE X TOQUE」では、必ず曲ごとに最初のキー(al 2 por medioなど)を示し、時には後のコード展開まで記載する所は、ギター愛好家の氏ならでは。1960年代に訪米したパコ・デ・ルシアの創作開眼の契機となるアドバイスや、後年物議を醸した「パコは私の弟子だ」との発言詳細も掲載され、資料価値は高い。ラスト43作品目は死後発売されたエストレージャ・モレンテの「カージェ・デル・アグア」('01)。最後の曲「レガロ・デ・ナビダ」で、7歳の彼女をサビーカスが伴奏しているためで、そのエピソードも感動的。CDはSP盤中心に21曲+巻末の名言が収録された本人インタビュー。本は全407ページ。(中谷伸一)
ガンボア執筆の完璧なサビーカス・ディスコグラフィ+貴重な最初期録音!
147×210cm/スペイン語/407頁/CD付き
サビーカス(1912〜1990)は、パコ・デ・ルシア前時代の20世紀半ばを世界制覇した、元祖ギターの王者。その足跡を辿る充実のCD&伝記本(西語)だ。収録の全20曲のうち、1930年代の"ニーニョ・デ・サビーカス"と呼ばれたキャリア初期のSP盤(パルロフォン)から最初の16曲を収録。グラナイーナやソレア、タランタ、パソ・ドブレ、ヒターノ・ヴァイオリンとの共演まで、当時20歳そこそこの録音だが、風格すら漂う演奏に改めて脱帽。17〜20曲目はその約30年後、1961年発売のLP「サビーカス/Mトロバ/コンシエルト・フラメンコ」(イスパボックス※デッカ盤は1962年)のA面で、フェデリコ・モレーノ・トロバ指揮のオーケストラとファンダンゴ、ファルーカ、アレグリア、ブレリアの共演が愉しめる。最後の「Habla Sabicas」は本人のインタビュー。誠実な口調でギター哲学を語る貴重な肉声は、後述の伝記に一部文章化され(365P)、語学ファンは必見。現代フラメンコ研究家の第一人者、ホセ・マヌエル・ガンボア氏執筆の伝記は、マニアックさを極めたディスコグラフィーが秀逸。サビーカスは録音が多く、オムニバスや再発売も膨大で、元音源の分かりにくさはコレクター泣かせだが、この一冊さえあれば完璧!ファン必携だ。(中谷伸一)
※既発の2枚組「Guitarra Flamenca de Nino Sabicas Vol.1(Nipis)」と一部重複しています。
CDの最後でサビーカスの肉声が聞ける!
Primeras grabaciones de Sabicas en discos de pizarra=Imitacion de Cepero y Angelillo/Granadinas/Danza mora/Soleares/Tarantas/Tango argentino por
buleria/Campanilleros/Alegrias gitanas/Pasodoble flamenco/Milonga argentina/Danza arabe/Aires del norte/Taranta-con Rafael de La Union de Cartagena/Fandangos/Media Granadina/Zambra
Concierto flamenco para guitrarra flamenca y orquesta=Andantino mosso/Allegro moderato(Fandangos)/Allegro no mucho(Garrotin)/Un poco moderato.
Allegro(Alegrias)/Allegretto/Allegro(Buleria)
La voz de Sabicas=Habla Sabicas