何よりファビの気風のいい歌いっぷりが最高!真っ向から伝統的な歌をぶつけてくる潔さと頼もしさ。
アルコス・デ・ラ・フロンテラ出身ファビのデビュー盤。デビュー作ながら、周りを固める布陣はパケーテ、トマティート、マヌエル・パリージャ、ソルデリータ、ファルキート(今作では楽曲提供、足音だけでなくライナーまで書いて大活躍)等々と超豪華。 そして何よりファビの気風のいい歌声が最高。最初のアレグリアスなんて共演のソルデリータが自作の歌詞をモデルノな節にノセて歌うのに対して、ファビが真っ向から伝統的な歌をぶつけてくるのが潔いし、パケーテが超絶オシャレに仕上げたタンゴでも、ファビが歌い出す(パケーテの父ラモン・ポルトゥゲスも歌ってたタンゴだ!)と途端に古きバダホスの香りが曲をグッと引き締めてくれてなんとも頼もしい。アルバム全体は今風の作りなんだけど、それに物怖じしない(かと言ってアレンジから浮いてしまっている訳でもない絶妙なさじ加減はプロデューサーでありギターでも参加するパコ・エレディアのおかげか)ファビのキャラクターの強さが魅力的な快作。 (Ulito)
完璧なコンパス感で、一流舞踊手から引っ張りだこのカンタオーラ、ラ・ファビ登場!
82年カディス県アルコス・デ・ラ・フロンテーラ生まれのカンタオーラ、ラ・ファビは37歳。ヒターナではないようだが、何故か幼い頃から自身の血の中にフラメンコが厳然とあり、歌い踊っていた。11歳の頃には地元のペーニャやフェスティバルに参加し、歌って踊っていた。その後認められ、一流舞踊手の伴唱をするまでに大して時間はかからなかった。クリスティーナ・オヨスのカンパニーやファルキート、ファルー、アントニオ・カナーレス、ファラオ―ナなど多くの伴唱をしたが、それはひとえに彼女のカンテのコンパスの完璧さゆえであった。現在ではスペイン国内の重要なフェスティバルは引っ張りだこであり、多くの海外ツアーにも参加している。本作はその彼女の37歳の遅いCDデビュー作である。しかしキャリアを積んでから発表であり、早くも一級品である。リズムものは勿論のこと、タランタやファンダンゴのリブレでもダイナミックなコンパス感に裏打ちされて歌っており、言うことなしだ。豪華なバックは、ファルキート、トマティート、アントニオ・レイ、マヌエル・パリージャ、パコ・エレディア、ピラーニャ、ベルナルド・パリージャほか。全10曲。
Con los capitanes(alegrias)/Y me duele(tangos)/Fruto y flores(buleria)/Alma(siguiriya)/Mr. Pakett(tangos extremenos)/El potro de Camarón(buleria)/3 de copas(fandangos)/La Piculiña(jaleos extremenos)/Viva la tierra(solea por bulerias)/A Gabriel Moreno(taranta)