伝統カンテを現代最新のサウンドエフェクトで料理して成功させた傑作！キキ・モレンテ。
ファッション誌でアルマーニやディオールのモデルになるルックスも人気のキキ・モレンテは、長女エストレージャ、次女ソレアを姉に持つモレンテ一家の末弟。伝統カンテの実力を披露したデビュー作「アルバイシン」（'17）以来、4年ぶりの新作「エル・カンテ」（'21）では流行の最新フュージョン路線に舵を切った。ソレア、グラナイーナ、ブレリア、マラゲーニャ、アレグリアス、シギリージャ、タンゴの曲種表記だが、エフェクトはクラブDJ並みに効かせ、メロディやコンパス表現も型破りのフリースタイル。曲タイトルは�ぁ屮戰鵐拭Ε魅┘个侶�嘩」、�Α屮┘襦Ε咼函廖↓А嵒鯑困亮�穫・秋」など、制作中に感銘を受けた画家ゴヤの作品名を採用した。��シギリージャでのマノロ・カラコール、トマス・パボン、チョコラーテのサンプリングは父エンリケを彷彿させるが、ライトで中性的な声質とエレキサウンド主体のスタイルが、Z世代リスナーの開拓を狙うキキの個性。ギターにホセ・セラーノ、パーカッションにピラーニャ、プロデュース＆プログラミングにエンリケ・エレディア“ネグリ”。全10曲。（中谷伸一）
Si tú me quisieras (Soleá del Coloso)/Con la música a otra parte (Granaína)/La dama (Bulería)/La riña en la venta nueva (Malagueña)/El ciego de la guitarra (Alegrías)/El vito. El cante/La vendimia o el otoño (Fandanguillos de Tomás)/Mi voz (Poema de Blas de Otero)/Voces del 3 de mayo (Seguiriya)/Lunares(Tangos)