目の覚めるようなバカテクは健在！アラブ音楽との融合がコンセプトだが、フアンはあくまでもフラメンコ！
北アフリカにルーツを持つ両親の元、1963年にフランス・リヨンで生まれたフアン・カルモナは、フラメンコギター習得のためヘレスへ移住し、既に10枚超の作品を発表済のベテラン。第12作目の「シリヤブ6.7」（'21）は、9世紀頃に活躍したイラク生まれの大音楽家へ捧げた。「6.7」はシリヤブ出生地のバグダッドから没地スペイン・コルドバ間の距離6743kmの頭数字。フラメンコのルーツの一つ、アラブ音楽との再融合を目指し、イラクやレバノンで現地調査を重ね作曲した。アラビア歌唱にフラメンコギター伴奏、カンテ伴奏はマンドラやウードで、ティエント、タンゴ、マルティネーテ、ブレリアがオリエンタルメロディと入れ子になり精緻なアラベスクを造形。ドランテスがピアノ、ディエゴ・カラスコがゲストの�イ任魯侫蝓璽献礇催�な奔放さも。60後半のエル・ペレのカンテが冴え渡り、ドゥケンデも健在ぶりをアピール。フラメンコ・パーカッションには手練れのイシドロ・スアレスとアネ・カラスコ。全11曲、西英仏語解説付き。（中谷伸一）
Llave de tu corazón - Con El Pele/Mundo ideal - Con Youba Adjrad/Agua dorada - Con Duquende, Ibrahim Maalouf/Exilio - Con Duquende, Wissam Joubran/Salam - Con Dorantes/De Bagdad a Córdoba - Con El Pele, Bijin Che/Caravansérail - Con Duquende, Pitit Moh/Llora el viento - Con Kawthar Meziti/En el rincón de mi alma - Con Domingo Patricio, Pitit Moh/6.743 - Con Nasser Shamma/Llave de tu corazón