「カンテ・ヒターノの保存」という彼のライフワークを端的に記録している資料性と、単純にゴリゴリのヒターノっぷりが楽しめる作品性。
アントニオ・マイレーナの’73年のLP『Cantes de Cádiz y los puertos』(1〜7曲目)、『Triana, Raíz del cante』(8〜15曲目)をほぼ全曲収録したコンピ。伴奏は相棒メルチョール・デ・マルチェーナとエンリケ・デ・メルチョールの父子。 前半『Cantes de〜』は地元でないカディス県の歌中心のせいか、やや硬さを感じるものの、マイレーナの本領発揮はカンテ・ヒターノ目白押しの後半『Triana〜』。 背筋凍りつくシギリージャに始まり、高らかに歌い上げるトナーではマイレーナの「ボーカリスト」としてのレベルの高さも再認識。そして続くロマンセではレコンキスタ時代の悲恋を延々と歌い継ぎながらどんどん白熱していく。最後はヒターノの古謡ヒリアーナを掘り起こしてしめやかに幕引き。「カンテ・ヒターノの保存」という彼のライフワークを端的に記録している資料性と、単純にゴリゴリのヒターノっぷりが楽しめる作品性がバランス良く収められている。(Ulito)
La mulilla/Tanto llamar/Mañana me voy/Por tu causa/Tres cuadros/A mis enemigos/El salero/Me muero yo/ Alevántate/Romance de la princesa celinda/Gitana pura/Los pasos/En Santa Ana/Santa Justa y Rufina/Los llaman