ウエルバ生まれのカンテ中心の５人組！成功作につき、リズム＆編曲マニアには絶好の一枚。
2014年にウエルバ県モゲールのフェスティヴァルを機に結成された「プラネタ・ホンド」は5人組のフラメンコ・フュージョン・バンド。本作「イングラビド」（'21）は2015年のEP盤に続く初のフルアルバムだ。全員がウエルバ県出身の1980年〜90年代生まれで、カンテのイスラエル・モーロを中心にギター、フルート、カホン、ドラムスの構成。曲種本来のメロディやコンパスを別物に変容させる一方で、カンテ唱法は真っ向正統に歌うスタイルだ。バンドネオンのアルゼンチンタンゴの前奏から、歌い出しでファルーカになる�い鯢�頭に、ペテネーラやファンダンゴ、ソレア、アレグリアスが摩訶不思議なアイレでズラリと並ぶ。2010年代にDJ界で突如リバイバル・ブームとなったトゥロネーロのサイケデリックファンク作「ニュー・ホンド」（'80）を思わせる前衛的な出来映えだ。奇抜な色モノに堕しないのはイスラエルのカンテの骨太さと一線で活躍するメンバーの技術力ゆえ。ゲストにアルカンヘル、カルメン・リナーレス、ホルヘ・パルド。リズム＆編曲マニアには絶好の一枚。全9曲、歌詞付き。（中谷伸一）
Skylark/In our own sweet way/Beatrice/Four/Summertime/Ana maria/Resolution/But not for me/Ruund about midnight/All the things you are