「カンテ・ミネーロ」の曲種群をベテラン研究者二人が無数の資料と音源を渉猟し、7年かけてまとめ上げた百科事典的な超大作。
タランタやミネーラが代表的な「カンテ・ミネーロ(鉱山の唄)」の曲種群を、ベテラン研究者二人(ラファエル・チャベス・アルコス&ノーマン・ポール・キルマン両氏)が無数の資料と音源を渉猟し、約7年かけてまとめ上げた百科事典的な超大作。最大の特徴は一枚のDVDにMP3でまとめた全168曲、10時間超に及ぶ歴史的な録音群。1897年のエル・モチュエロのシリンダー録音を最古に、自らギター伴奏するマヌエル・エル・セビジャーノ、アントニオ・グラウ(タランタ源流のエル・ロホ・アルパルガテーロの息子)など、1900年代初期のSP盤から復刻した貴重な音源が揃う。驚嘆すべきはほぼ全てが歌詞付きなこと! 伴奏付きの曲はキーも明示。曲種解説も詳細を極め、特にタランタの章は演唱者のレトラ別に細分化され200ページ以上。肖像写真やバイオも充実しており、カンテ・ミネーロ追及の旅には必須の一冊。著者のノーマン氏は人気サイト(www.canteytoque.es)の制作者としても知られる。全568ページ。(中谷伸一)
※CD=全168曲