哲学の学位と持ち、数か国語を操る才女のカンテとポップス。伴奏のパコ・エレディアが実にいい味!
ムルシア生まれでウトレーラを拠点に活躍するカンタオーラ、カルメン・ドーラは、 哲学の学位とフラメンコ歌唱の学位を取得している変わり種で、現在セビリアのアントニオ ルイス ソレル高等音楽院で教師を務めている。データでは本作が3作目とあるが、前の2作は不明。ただ、本作はフラメンコアルバム部門で2022年の「ラテングラミー賞」にノミネートされた記念すべき作品。数か国を話す才女でもあり、英語、フランス語、アラビア語でも歌っている。フラメンコ曲とポップス曲が並ぶが、フラメンコは伝統そのもの。ポップスの名曲「イフ・ユー・ゴー・アウェイ」では、伴奏のパコ・エレディアが一部タンギージョのリズムを使って興味深い伴奏している。モンセ・コルテスの夫君であるパコ・エレディアの伴奏は、伝統に則った懐かしい味とハッとさせるフレージングがいい。全10曲。
Bulerías de la Perla/Feeling good/Pare/Tientos-Tangos de Pastora/No me quitte pas/Vidalita/Ghanelly/Teatro/Granaina/Volver