フラメンコ形式による詩人ロルカのオマージュ作品。インテンポの新シギリージャが素晴らしい!
89年グラナダ生まれのギタリスト、フアン・アビチュエラ・ニエトは34歳。その名の通りマエストロ、フアン・アビチュエラの孫である。大手のユニバーサルに属し、スターであると同時にラ・ウニオンのコンクールで「ボルドン・ミネーロ」賞を獲得した実力派だ。第3作の本作は同郷グラナダの詩人ガルシア・ロルカのオマージュ作品。と言ってもほとんどしっかりフラメンコの形式に当てはめた曲作りが嬉しい。そして各曲に心憎い歌い手を配しロルカの詩を歌わせている。歌詞も付いているので、そちらに興味のある方にも参考になる。「ベルデ」はピティンゴに歌わせている。「カンテ・ホンドの歌」はロンデーニャの形式で、朗読の上に新しい心に響くメロディを紡いでいる。シギリージャは白眉の出来で、詩の朗読から始まり、ドラマティックに展開しながら、インテンポのノリでシギリージャの緊迫感を盛り上げている。最後の「ブエノス・アイレス」はミゲル・ポベーダに歌わせて、アルゼンチンタンゴに仕上げている。全8曲、歌詞付き。
La Alhambra Lorquiana(tangos)/El verde de Sevilla(tanguillos)/Poema del cante jondo(rondena)/Llega la noche(bulerias)/Andalucía(zambra)/La poesía oculta(siguiriya)/Poeta en New York(bolero)/Buenos Aires(tango argentino)