ラモン・モントージャ以前の名手パコ・ルセーナ!アレハンドロ・ウルタードらが資料を元に演奏を再現。
1898年5月24日、結核により38歳で早世したフラメンコ創成期の名ギタリスト、パコ・デ・ルセーナの伝記本。1859年6月1日、コルドバ県ルセーナに生まれ、その後マラガに移住し、世界各国へ羽ばたく様子を、ルセーナのペーニャで15年秘書を務めたフランシスコ・カルサード・グティエレス氏(1949年生まれ)が豊富な資料を駆使して解説。「ギタリストのパコ・デ・ルセーナ氏が素晴らしいバリエーションを演奏した」(仏ル・ラペル紙1880年1月15日付)や「アントニオ・チャコンとフランシスコ・ディアスことパコ・エル・デ・ルセーナ、この名士二人は愛好家を感動させ、喜ばすことを熟知する。最初に有名なマラゲーニャ・イ・カルタヘネーラを…」(ウニオン・メルカンティル紙1894年6月24日付)など、歴史好きには堪らない内容。記事の英仏原語をスペイン語へ翻訳済みな点も親切だ。付録CDはアレハンドロ・ウンタード(2017年にボルドン・ミネーロを獲得)と近郊プエンテ・ヘニルの若手マリアーノ・デルガード二人が、パコ・デ・ルセーナのファルセータを再現する趣向で全12曲、約30分。書籍は170×237mm、全169ページ、スペイン語。(中谷伸一)
Solea de arcas/Murcianas de arcas/Soleares de Paco de Lucena/Soleares de Paco de Aguila/Alegrias de Paco de Lucena/Soleares de Patino/Alegrias de el torero/Rosa de Rafael Marin/Seguiriyas de Javier Molina/Alegrias de Juan Navas/Bulerias de Juan Navas/Seguiriyas de Juan Navas