11曲目のブレリーアでの爆発具合は、晩年の映画『フラメンコ』出演時の怪物っぷりが既にこの時点で!
パケーラ・デ・ヘレスの1960年前後のEP/シングル音源を中心に集めたアルバム。ギターはマヌエルとフアンのモラオ兄弟(クレジットはモライートとモライート・チーコ)が4曲に、マヌエル・モラオ(マヌエル・モレーノとクレジット)の単独が10曲、そしてタブラオ時代の同僚フアニート・セラーノが1曲。EP/シングルのせいかファンダンゴが6曲にブレリーア系が3曲、とパケーラの得意なレパートリーに極端に偏った選曲だが、それゆえに全編通してテンションは高め。特にファンダンゴはリブレからウエルバまで様々なスタイルを歌っていて飽きさせない。セラーナやマラゲーニャなど、パケーラには珍し目の曲種を歌っている点も注目。ほぼ全曲同郷のモラオ兄弟たちが伴奏しているのもパケーラの良さを引き出している。特に11曲目のブレリーアでの爆発具合は、晩年の映画『フラメンコ』出演時の怪物っぷりが既にこの時点で完成されていたことが確認できる。(Ulito)
Celosa (Fandangos)/Canoavá (Rumba flamenca)/Fandangos de Huelva de la Paquera de Jerez/Te tengo que ver llorar (Tangos jerezanos)/05. En las manos de Julio (Serranas)/Tu cariño con el mío (Tientos)/Mi cante por bulerías/Fragancias de Punta Humbria (Fandangos de Huelva)/Repiquen las campanas (Villancico por bulerías)/Con fatigitas de muerte, La mujer tenía que ser (Fandangos)/Bulerías de la giralda/El cariño que te he dao (Fandangos)