大注目ジェライ・コルテス伴奏。現代最高峰の二人が疾駆する高速ソニケーテは中毒性が強く危険!
十代の衝撃デビュー盤「ラ・ウエジャ・デ・ミ・センティオ」('18)から7年ぶりのセカンド「マニフィエスト」('25)は、現在25歳のマリア・テレモートの進境著しい会心作。天性の爆発力とコンパス感覚は相変わらずだが、本作では全曲自ら作詞、それが見事にハマッた。カンテの詞は伝承モノを歌い継ぐのが主流だが、彼女は現代の人間も共通する普遍的な感情を鋭敏にかぎ分け、ロマンセ、ペテネーラ、ソレア等の伝統曲へ当てはめる。「雪が燃え、炎が凍るのを夢に見た」(ソレア)、「あんたに捧げた命が戻ってきて、三天使(子)が色づけてくれた」(ゥ譽丱鵐董法◆峺世い燭ぅ筌弔砲聾世錣擦討きな」(Ε▲譽哀螢▲后法主演作のゴヤ賞受賞で注目のギタリスト、ジェライ・コルテス(1995年生まれ)の伴奏は、声色の変化を瞬時に察し、それに調和するフレーズを次々抜き出す凄腕。ラストのブレリア┐真骨頂。熱狂するパルメーロに囲まれ、現代最高峰の二人が疾駆する高速ソニケーテは中毒性が強く危険。全8曲、歌詞付き。(中谷伸一)
A la muerte(Romance)/Alma no salgas del cuerpo(Petenera)/Soñé que la nieve ardía(Solea)/Te llevaste mis tormentos(Verdiales)/Pintan mi vida en color(Levante)/Murmuraorx(Alegrias)/Miraíta(Rumba)/Reina(Bulerias)