カンテプーロを前面に押し立てて、バッキングをジャズトリオが行うという面白い構成!
バスクの州都ビトリア=ガステイス出身のベテランジャズ・コントラバス奏者、パブロ・マルティン・カミネーロ(1974年生まれ)は、ヘラルド・ヌニェスとの共演が長く、4年前の「アル・トーケ」('21)では、サビーカスやパコ・デ・ルシア、ニーニョ・ミゲル、モライートら歴代の名手のフラメンコギター曲をカヴァー。新作「アル・カンテ」('24)はその続編で、ヘレス・プラスエラの歌い手、ダビ・カルピオ(1975年生まれ)を招き、自身のカミネーロトリオ(+ピアノ&ドラム)と組んで、カンテ・プーロの伝統と現代ジャズの融合を目指した。ダビが歌う各曲の断片やレトラを、フリージャズ側がメロディラインの中へ吸収するようなスタイルが基本。トリオのピアノはサラマンカ出身、名門バークレー大卒のダニエル・ガルシア・ディエゴ、ドラムにはテヘラン出身のシャヤン・ファチ。ゲストにァ屮屮▲福Ε屮▲福Εン・コン」のオリジナル演奏者として、パコ・セクステットでも活躍したフルートのホルヘ・パルド他。全8曲。(中谷伸一)
Cuentas pendientes/Soundcheck/FKOTR/Soleá de Gasteiz/A buana buana King Kong/Alter ego/Mi doble sentir/La propina