貴重盤。国民的歌手ロシオ・フラードの最初期フラメンコ録音!その歌唱力はフラメンコでも見事に発揮。
20世紀スペインの国民的歌手ロシオ・フラードの誕生年は、最近「1943年」と、故郷チピオナの出生記録から証明されたが、長いあいだ二転三転してきた。十代から夜のタブラオに出演するため実年齢を偽っていた、という経緯があるからだ。本作の西語タイトルは「彼女をスターに押し上げた最初期の録音」。1962〜1966年のEP盤コレクションで、後年スペイン歌謡の女王となる礎を築いた、前述の「カンテ・フラメンコ」時代を示す貴重な録音。アレグリアス、ファンダンゴ、ティエント、マラゲーニャ、サンブラなど、当時19〜23歳ながら、プーロで成熟した王道の歌いぶりは、まぎれもなく天与の才。なかでも出色はセマナ・サンタ(聖週間)名物の宗教歌サエタで、派手な大スター時代とは全く趣きが異なる、真摯な神々しさが胸を打つ。ギターはパコ・アギレーラ、フェリクス・デ・ウトレーラ、メルチョール・デ・マルチェーナと凄腕揃い。2枚組全40曲。(中谷伸一)
Alegrías de Sevilla (Alegrías)/Fandangos de mi cariño (Fandangos)/La pared del desengaño (Tientos)/Con un ramito de olivo (Jabera)/Suenan palmas a compás (Malagueña)/Por que te vistes de oro (Fandangos de Huelva)/Amante de Abril y Mayo (Canción Rumba)/Victoria la Malagueña (Pasodoble)/ La estrella más clara (Cantos Romeros)/En el Alosno nací (Fandangos Alosneros)/Pájaro Chogüi (Rumba flamenca)/Me quieres, de cuando en cuando…….