【驚きの再発売】原点回帰のソレア、シギリージャの渋すぎるカンテ・ホンドが圧巻!マドリード・ライブ。
2009年発表「ソロ・ポル・エソ」から、実に8年ぶりとなるマカニータのソロアルバムは、去る2016年7月7日、マドリードのフェスティバルシリーズ「シルクロ・フラメンコ」のライヴ録音だ。ヘレスの若手トップのマヌエル・バレンシア&パルメーロ二人(チチャロとマカーノ)で、伝統パロ6曲(ティエント―タンゴ→ソレア→アレグリアス→マラゲーニャ→シギリージャ→ブレリア)を、現地タブラオ「ラス・タブラス」にて約一時間。ねっとり黒く甘い声、ビビッドなコンパス感、ヒターナ的な即興性を誇るゆえ、完璧なオールラウンダーと取られがちだが、原点回帰のソレア、シギリージャの渋すぎるカンテ・ホンドが圧巻。マヌエル・トーレ、アンドンダのような昔の歌詞の数々に、自身のコラヘと哀感を込めて21世紀に甦らせるワザは、今や40代後半のマカニータの進境を示すもの。伝家の宝刀ブレリアは13分強の長尺ながら、スピーディで予測不能なレトラ展開で、自由奔放なヒターナぶりは健在。「パケーラ逝きてもカンテは残る」と叫ぶラストは涙を誘う。全6曲。(中谷伸一)
Tientos-Tangos 14:14"/Soleá 11:59"/Alegrías 5:48"/Malagueñas 6:62"/Siguiriyas 5:07"/Bulerías 13:12