発掘!伝説のギタリスト、マノーロ・デ・ウエルバの歌伴奏とソロが大量発見。
飯野昭夫(フラメンコ研究家)
あまりに古い時代のことは別として,LPレコードの時代に活躍したギタリストの中で,とりわけ伝説的な存在として取り上げられるのが,このマノーロ・デ・ウェルバである。他のギタリストに自分の芸を盗まれるのがイヤという理由でレコードもほとんど残さず,また,同業者がいる前では決して演奏しなかったという逸話の持ち主である。
僅かに残されたレコードからも判るが,そのリズムのキレの良さゆえに,踊りの伴奏ならマノーロ,カンテの伴奏ならリカルド,といった古いアフィシオナード達のコメントも目にするが,このボックスに付属する冊子によると,彼自身,真骨頂はカンテの伴奏にあると考えていたようである。
ここにはフランスの好事家が個人的に自分の家などで録音したもの(CD 6枚)と舞踊家ラ・アルヘンティニータの踊りを記録したDVD1枚が収められている。CDの内容を順に記せば,CD1: La Pompi, La Gitanilla, Manuel Centeno; CD2: Luis Caballero; CD3: Aurelio de Cádiz; CD4: Felipe de Triana, Rafael Pareja; CD5: Pepe de la Matrona; CD6: Manolo de Huelva のソロとなっている。一部を除いてはその録音時期が記されていないが,1954年〜1966年の間に収録されたものと推察される。カンテをよく知る人達に取っては垂涎の的と言えるボックスであろう。
Vol.1 CD: Luisa Ramos Antúnez "La Pompi", La Gitanilla, Manuel Centeno
Vol.2 CD: Luis Caballero en un café cantante
Vol.3 CD: Aurelio Sellés Nomdedeu
Vol.4 CD: Felipe de Triana, Rafael Pareja
Vol.5 CD: Pepe el de la Matrona
Vol.6 CD: Manolo de Huelva anuncia y acompaña… solo
Vol.7 DVD: Encarnación López “Argentinita”, Pilar López