[名盤・再発見]
ヒターノ迫害の歴史を音と詩で描いた傑作。タブーに挑む制作者たちの情熱!
中谷伸一(「PURO DRUNKER」執筆者)
スペインで15世紀末に出された「反ヒターノ勅令」以来、彼らの人生は「ペルセクシオン(迫害)」との闘いだった。カンテ・ヒターノ一族の血を引き、キャリアの第一次絶頂期だったレブリハーノが、作家フェリクス・グランデ(1937〜2014)と組んだ、20世紀フラメンコ史上に輝く名盤。「ヒターノの幌馬車隊が、明け方の地平よりやってきた」と、民族の歴史を語る代表曲「LIBRES COMO AIRE(風のごとく自由)」や、「1499年、無慈悲な法がメディナ・デル・カンポで生まれた」(ティエントス)、「追いかけられ、身を隠して祈った」(シギリージャ)といった迫害の情景を想起するレトラが強烈。名手エンリケ・マルチェーナの鋭利なギターが、当時レブリハーノが誇った比類なき爆発力を、さらにアルテの高みへ押し上げる。生々しい臨場感を出す馬車や波の効果音、フェリクスの抑えたナレーションと、詳しい歴史解説を載せたライナーも良い。タブーに挑む制作者らの情熱がほとばしるアルバム。原盤は1976年発表、全11曲。
Canto anónimo/Libres como el aire (Caravana)/Sangre, sangre(Bulerías)/No le temblaron las manos(Tientos), Mando que en sesenta dias (Romance), Finales del siglo quince(Tientos)/Mi condena(Galeras)/Ay, Canalla Manuel Rodriguez(Taranta), Que dolor, que dolor(Tangos), A veinticinco mineros(Taranta)/En el siglo Diez y ocho(Tona)/ Siguiriya Coral/Me vienen siguiendo(Siguiriya)/Canto Anonimo/Libres como el