新作と古典詞の世界を巧みにブレンドし、伝統に根差した現代カンテ――という難題を正面突破!
1970年レブリーハ生まれのルイス・マレーナが、50代で念願のアルバムデビュー。父は同地のカンテ・ヒターノを代表する一人、クーロ・マレーナ(1945〜)で、ルイス自身は10代半ばから舞台でサポート役を務め、フェスティバルやフィエスタで活躍してきた筋金入りだ。トップのタイトル曲「星を見上げて」(ブレリアス・デ・レブリーハ)から、素朴で骨太な節回しで魅了。美しく叙情豊かなレブリーハ賛歌のレトラは、ベテランのヒターナ詩人パカ・トーレス作。マルティネーテ・デブラ・イ・トナーの清澄。凛々しいソレア。シギリージャの深淵。いずれも浮世離れした正調のカンテ・ヒターノに、マヌエル・フローレスとマレーナ・チーコの鋭くも武骨な伴奏が“ザ・レブリーハ”のアルテを演出。新作と古典詞の世界を巧みにブレンドし、伝統に根差した現代カンテ――という難題を正面突破したシンプルで深い快作。プーロファン必須の一枚。全7曲、歌詞付き。(中谷伸一)
Mira las estrellas (Bulerías de Lebrija)/Mi fragua gitana (Martinete, debla y toná)/La voz que busca el silencio (Cantiñas)/Manelísimo (Soleá)/Quiero sembrar un camino (Mariana)/La casa de los locos (Seguiriya)Yo soy como quiero yo sé (Bulerías)