抱腹絶倒!亡きフラメンコ狂画家、堀越千秋さんの1990年刊、フラメンコ以外のスペイン・外国生活エッセイ。以下の「あとがき」を読めば、いかに面白いかが分かる。
「 そもそも、ひとは計算をしたり、勘定をしたりするのが不幸のもとである。七千夜だろうが、初七日だろうが、勘定などしなければよいのだ。財布の中味や貯金の額や、年齢や成績や給料や、離婚の回数やお見合いの回数やらを、勘定さえしなければ、ひとは常に平然たるものではないか。
私はこれを実行している。私はこれをひろく読者におすすめしたい。私はこれにより、なかなかどうして貧乏であるが、常に笑っている。毎日あぶく銭の入ってくる人は、笑いが止まらないそうだが、私も右の理由で、神々がよろこぶそのままに、笑いが止まらないのである。」