今回の特集は、アンチ・コマーシャリズムの極、カンテの純粋主義者、トマス・パボン！
往年のカンタオールたちの歌をＳＰから復刻したシリーズ「グラン・クロニカ・デル・カンテ」。このシリーズはギタリスト、エンリケ坂井氏の膨大なコレク ションの中がら坂井氏自身が復刻している。今回の特集は、カンテ・ボニートの時代でありながら、カンテの純粋性を貫いたトマス・パボン。もちろんそこには姉のパストーラ（ニーニャ・デ・ロス・ペイネス）と、その夫ペペ・ピントの援助があったからではあるが。そのカンテに後世の多くの歌い手が影響を受けたが、その中で最もトマスに近づいたのはチョコラーテだろう、とエンリケ坂井氏は言う。全8曲収録。その他ではパストーラやバジェーホが常連だが、サエタの名人ニーニョ・ビジャヌエバが素晴らしい。珍しいところではかの名ギタリスト、ミゲル・ボルーの娘 ラ・ヒターナ・ブランカの歌に父ボルーが曲の後半に伴奏で登場するのが面白い。今回のギターソロは、古いギターファンには懐かしい、名手ビセンテ・ゴメス。しっかりと書き込まれたライナーノー ツ、歌詞対訳！必聴、必 見の一枚。全22曲、歌詞対訳付き。 （歌詞聴き取り、対訳、解説は川上茂信、福久龍哉、濱田吾愛の3氏）
収録アーティスト＝ビセンテ・ゴメス（ギター・ソロ）／ニーニョ・ビジャヌエバ／ニーニャ・デ・ロス・ペイネス／マヌエル・バジェーホ／アンヘリージョ／ラ・ヒターナ・ブランカ／ニーニョ・デ・ラ・アランブラ／トマス・パボン