詩人ロペ・デ・ベガ、米作家ポーなどの詩で、古式豊かなバロック形式のアイレ表出に心血を注いだコンセプトアルバム。
伴唱・レッスン等で来日経験のある、ウエルバ県ベアス出身セバスティアン・クルス（1977年生まれ）が、17〜18世紀に活躍した宮廷音楽家マラン・マレと、その師サント・コロンブを描いた仏映画「めぐり逢う朝」（'91）に衝撃を受け、作成に至ったというコンセプトアルバムが本作。各テーマに「マラゲーニャ」「カーニャ」「ソレア」「タンギージョ」「サラバンダ」「シギリージャ」と曲種名は付くものの、レトラは16〜17世紀に活躍した詩人・劇作家のロペ・デ・ベガや、19世紀の米作家エドガー・アラン・ポー、昔ながらのカンテ伝統詞等から採用し、古式豊かなバロック形式のアイレ表出に心血を注いだ。アーティスティック・アドヴァイザーにトマス・デ・ペラーテの話題作「トレス・ゴルペス」（'22）を手掛けたペドロ・G・ロメ―ロ、プロデュース・メイン伴奏にセビージャ出身のベテラン、ラウル・カンティサーノ。名手アルフレッド・ラゴスやラファエル・リケーニもフラメンコ・ギターで登場。全13曲、歌詞付き。（中谷伸一）
Te quiero con el alma (Malagueña)/De mis soledades vengo (Caña)/Arroyos sonoros (Soleá)/Amada pastora mía (Tanguillos)/La noche (Canción)/ Desacordado de loco (Fandango Barroco)/País del sueño (Zarabanda)/Nace la aurora (Serrana)/Siendo cenizas (Taranta)/El sol tiene que salir (Fandango valiente de Alosno)/La soledad del alba (Seguiriya)/Se me apareció la muerte (Malagueña)