よく歌うメロディ、うなる弦!早くも3作目のホセ・フェルミン・フェルナンデス。創作の泉は枯れない。
ここ2、3年のスペインに於けるフラメンコギター・シーンで、若手のトップを走るホセ・フェルミン・フェルナンデス29歳。一昨年デビュー作を出したばかりなのに、本作はすでに3作目!つまり今のところ毎年アルバムを出しているという驚きの結果である。量産による質の低下など一切なく、素晴らしい一流のクオリティで演奏している。サパテアードはクロスリズムで入った後、前進感あるフレージングで進んで行く。類似リズムのタンギージョでは、うきうきした楽しい乗りを強調して差別化している。ブレリア・ポル・ソレアでは、グラナダの大御所ハイメ・エレディアに歌わせて重厚さを加えている。ルンバではユニゾンを上手く使い、緊張感と新しさを演出している。アルバムタイトル曲「イネファブレ(言葉で言い表せない)」は、パコとマノロのセビジャーナス二重奏を一緒に再現した盟友アンヘル・フローレスとのブレリア二重奏。唯一のリブレ曲ミネーラは、グラナダのギター製作家ホセ・ロペス・ベジードに捧げている。よく歌うメロディ、うなる弦、言うことなし。全8曲。
Hermanos del cielo (Zapateado)/Tío Parrón (Bulería por soleá) - con Jaime El Parrón/Heroínas de Sálvadora (Rumba)/Inefable (Bulería) - Con Ángel Flores/ Maestro de la vida (Minera)/La realidad (Ritmo de Huelva)/Sanyoga (Tanguillos) - Con Julian Heredia & El Cheyenne/La tomatera (Bulerías)