[名盤・再発見!]
端整な音粒に、深い間。パコ・デ・ルシアに影響を与えた歴史的名演!
中谷伸一(「PURO DRUNKER」執筆者)
2014年に急逝した現代ギターの最高峰、パコ・デ・ルシアが、キャリアの初期に強い影響を受けたとされるギタリストが、セビージャ出身のニーニョ・リカルド(1904〜1974)。原盤はHISPAVOXの1954年収録。キャリアの円熟期だけあって、冴え渡るトーケにまるで古さを感じないのが驚きだ。共演者は一切なく、ギター一本だけで、シギリージャ、ソレア、アレグリアスなどの各曲種を弾き分ける。それぞれのエッセンスを明確に打ち出した、力強くわかりやすいお手本のような演奏だ。日本のギター界が受けた影響も、一聴してすぐに分かるほど。端整な音粒に、深い間。フラメンコ・ギターが、超絶テクニックと速弾き競争、そしてフュージョン化へ突入する以前は、日本の伝統芸能と相通ずる「わびさび」と、詩情に満ちていたのだ。作曲者クレジットのマヌエル・セラッピは、リカルドの本名。秋の夜長に聴きたいアルバム。全13曲。【リリカル度★★★★★】
ニーニョ・リカルドの最も有名なアルバム。
歴史上の大ギタリスト、ニーニョ・リカルドの58年録音のEMI原盤の復刻。日本フラメンコの初期のファンたちは、サビーカスと並んでこの録音を聴いて育った。独創性に溢れたファルセータの数々は見事という他なく、後世に大きな影響を与えた。全13曲。
Siguiriyas(en La)/Soleares(en Mi)/Alegrias(en La)/Granainas/Tientos/Fandango/Siguiriyas(en Mi)/Soleares(en La)/Alegrias(en Mi)/Taranta/Buleria/Maleguenas/Zapateado